サービス設計プロセス:ドローン配送を例に
サービス設計プロセス:ドローン配送を例に
中国深センで実施されているドローンを活用した配送を体験し、サービス全体像を分析。サービス設計の成果物としてまとめました。弊社のサービス設計の成果物のサンプルとしてご紹介します。
[成果物]
カスタマージャーニーマップ
サービスシステム図・ステークホルダーマッピング
サービス機能マップ
サービスブループリント
サービスコア要素
この成果物から、より詳細な要件定義を行いシステム化に繋げます。
カスタマージャーニーマップは、顧客がブランドとの一連の体験を経る過程を、旅に例えて表現したものです。このアプローチは顧客の体験を時系列に沿って可視化します。カスタマージャーニーマップは通常企業内でワークショップで作成します。それにより次の3つの効果が期待できます。
顧客の視点を採用し、自社のサービスを客観的に見つめ直すことができる。
サービスの改善点や強化すべき要素を特定することが容易になる。
ワークショップを通じて、また可視化をすることで、チーム内でビジョンを共有し、一体感を高める。
これらの効果を通して、企業は顧客を物語の主人公と見なし、その旅のスタートからゴールに至るまでのプロセスを、チーム全員で創り上げていくことができます。
[主な要素]
ステージ:顧客との接点のスタートからゴールをステップに分けたもの。
顧客の行動:各ステージでの顧客の具体的な行動
思考・感情:顧客の考えていること、感じていること
期待レベル:思考・感情の理想的な状態
これをまとめた後に、現在のサービスを比較して対応すべきことをまとめる。
サービスで提供すべき価値をどのように実現するかを、を俯瞰して、ステークホルダー・関係する付帯物の関連を表す。ステークホルダーの価値交換、付帯物の行き来のサイクルを確認する。サービス提供を継続するために、必要な動きを抽出することができます。
サービスが顧客に対して提供すべき価値を、どのような機能により実現するべきかをまとめます。見えない価値を機能によって見える化し提供方法を検討します。
サービスブループリント
提供されるサービスの流れや顧客との接点、裏側で行われるプロセスを詳細に図式化したものです。この手法を用いることで、サービスの全体像を把握し、顧客体験の向上に必要な業務や改善点を見つけ出すことができます。サービスブループリントは、効率的かつ効果的なサービス提供を実現するための基盤を構築します。
提供するサービスの機能に分解し、提供する機能や目的を文章化します。
QRコードと基本サービスを活用したシステム:利便性とアクセシビリティを考慮し、QRコードをスキャンして注文から支払いまでは美団の基本サービスをベースにしている。
リアルタイム情報の提供:ドローンの到着時間と距離をアプリでリアルタイム表示することにより、顧客の期待を喚起し、待ち時間の不安を軽減します。
ルート設計と確認機能:他のドローンや障害物の確認、着陸準備状況を評価するためのホバリング機能を設け、安全性を確保する。
自動着陸システム:指定された着陸地点(ブースの屋根)への精密な自動着陸を実現し、配送効率と利用者への安全性を確保する。
再利用可能な運搬箱:環境配慮とコスト削減を目指し、プラスチック製の再利用可能な運搬箱を採用している。ブースの設計や、ドローン配送用にサイズが設計されていることも考慮されている。
ブース内部の冷蔵設備:食品の鮮度維持と利用者が即時に取りに来られない場合の対応策として、商品保管用の冷蔵設備をブースに備える。
監視とセキュリティ:ドローンにはGPSとカメラを装備し、盗難防止と運用監視を強化しています。
電源管理と動作ロック:ドローンの電源管理と、盗難時の動作ロック機能を備え、セキュリティを高める。
他にドローンへの注文データの連携など必要な機能も考えられます。